生命科学技術の急速な発展に伴い、コラーゲンは天然の生体高分子材料として、医療業界で注目されています。 本稿では、コラーゲンの分子構造、物理化学的特性、現代医療分野での用途を検討し、コラーゲン精製のプロセスにおいて、ウイルスの除去に使えるCobetter製品を紹介します。
1.コラーゲン:自然の美と力
天然コラーゲンは、3本のペプチドの鎖がねじれた三重らせん構造になっています。肌のハリ・ツヤを保つことだけでなく、身体機能を維持するための重要な成分でもあります。安定した物理的・化学的性質を持ち、生体適合性に優れているため、人工皮膚や人工血管(グラフト)などの医療器具の製造に幅広く使用されています。同時に、コラーゲンは免疫原性が低く、生分解性が良いため、薬剤注入材料として注目されています。
2. 遺伝子組み換えコラーゲン:現代科学の最高傑作
コラーゲンの生産工程では、精製工程が非常に重要です。培養液からコラーゲンを分離するには、ろ過、クロマトグラフィー、透析などの複雑な精製工程で不純物を除去し、高純度コラーゲンを獲得します。
3. ウイルスの除去方法:安全・高純度のコラーゲンを確保する
ここでは、一般的なウイルスの除去方法をご紹介します:
1. ウイルスの不活化: 熱、紫外線、薬剤などで、ウイルスを死滅させる(感染性を失わせる)ことです。この方法は容易ですが、コラーゲンの活性化にある程度影響を与えます。
2. クロマトグラフィー: ウイルスとコラーゲンのクロマトグラフィー媒体への吸着・溶出特性の違いにより、ウイルスとコラーゲンを分離する方法です。この方法は、設備や操作が複雑になりますが、高いLRVを得ることができます。
3. ナノろ過: ナノスケールフィルターでウイルス粒子を捕捉・除去します。この方法はコラーゲンの活性にほとんど影響を与えず、効率的にウイルス除去ができます。
コラーゲン製品の用途に基づいて、ウイルス除去の方法を選択します。例えば、高い活性能力を求めるには、ナノろ過やクロマトグラフィーを使用します。一方で、活性を求めない場合は、ウイルス不活性化を使用します。
4.コラーゲンウイルス除去ろ過のケーススタディ
注射用のヒト由来コラーゲンを例として、一般的にCHO細胞が発現系として使用され、精製した後ウイルス除去を行います。ケース1:組み換えコラーゲン
タンパク質: <200KD、0.1~0.5g/L
一定圧力:30PSI

結論:ろ過速度は75分間で約350L/m2、フラックスの減衰は50%以内に抑え、タンパク質の収率は顧客の要求を満たしています。
ケース2:ヒト由来コラーゲン
タンパク質: 300KD,0.5g/L
一定圧力: 30PSI

結論:ろ過速度は225分間で約200L/m2、フラックス減衰は60%以内に抑え、タンパク質の収率は顧客の要求を満たしています。
まとめ:
ウイルス除去の多くの事例から、低純度・分子量200KD以下のコラーゲンには、ナイロンのプレフィルターPNYとPESのウイルス除去フィルターVirusClear VF Plus Xの組合せがお勧めです。分子量が200KD以上、高濃度のコラーゲンには、RCのウイルス除去フィルター ViruClear RC Hがお勧めです。
コラーゲンは、重要なバイオマテリアル(生体材料)として、医療分野における用途が増えて行きます。高い技術と厳しい精製プロセスで、コラーゲンの純度と安全性を確保することができます。Cobetterは、コラーゲンの開発・製造において、ウイルス除去用のフィルターを提供しています。