血液製剤におけるSPTFFの使用例

2024.01.02 169

バイオ医薬品の分野では、タンジェンシャルフローろ過 (TFF) はサンプルの濃縮、 バッファー交換、不純物の除去に広く使用されています。限外ろ過カセットの使用方法(直列または並列)により、バッチ式タンジェンシャルフローろ過(TFF)とシングルパス式タンジェンシャルフローろ過(SPTFF)に分けられます。SPTFF、内部で勾配をつけた平膜パッケージで構成されます。複数のTFFカセットを直列に接続することで、より長い流路が形成され、1パスでの変換率が大幅に向上します。このように、従来のTFFの再循環ループが不要になるため、この方式はシングルパスTFF(Single-pass TFF)と呼ばれます。


SPTFFの優位性


1. 低いせん断力——薬液はポンプを1回通過するだけです。せん断力に非常に敏感な薬液を用いる場合は、圧空を使用します。
2. 高濃度倍数——1回で2~20倍、あるいはそれ以上の高濃度倍数を達成することができます。
3. 安定性——プロセス中の凝集や気泡の発生を避けるため、循環混合の必要がなく、薬液と流体状態は安定しています。
4. 高い回収率——上部の洗浄量が少なく、回収率が高いです。
5. 低コスト——液体入口流量が少なく、循環流路がなく、システムが小さいです。
6. アップストリームとダウンストリームの連動——プロセスを同時に行うことができます。


SPTFFは高濃度血液製剤のオンライン濃縮に役立つ


高濃度血液製剤は、純度が高く、糖安定剤を添加せず、人体の生理的浸透圧に近いという特徴があります。良好な輸液耐性を確保しながら、患者の輸液時間を短縮し、輸液効率を向上させ、副作用のリスクを大幅に軽減することができます。そのため、高濃度限外ろ過はますます業界で注目されます。SPTFFは作動容積が小さく、回収時の緩衝液希釈による濃度低下の問題を軽減できるため、高濃度血液製剤のオンライン濃縮に役立ちます。

Cobetterの従来のスクリーン流路限外ろ過製品は構造設計を改善し、高濃度調製においてメリットがあります。SPTFFをより効果的に活用してプロセス目標を達成するために、プロセスの開発と最適化を支援します。以下は、高濃度血液製剤におけるCobetterのSPTFFの実際の使用例です:


アプリケーション・ケースシェアリング

ケース1:免疫グロブリン静注(IVIG)


薬液情報: 5%と10%濃度の静注用免疫グロブリン(IVIG)、Consieve®UFCシリーズ30kDカセットを使用RC材質、TFFカセット面積0.01m²(3-level construction 2:2:2、総面積0.06m²)


プロセスパラメーター: IVIG濃度50g/L~100g/L、平均フラックスは30.1LMH、収率は100.4%であった;IVIG濃度100g/Lから200g/L、平均フラックスは8.86LMH。収率は99.6%であった。

結論: 実験では、濃縮プロセス全体が比較的安定しており、収率は100%を超え、膜のタンパク質の吸着が低いことを示している。


ケース2:免疫グロブリン静注(IVIG)


薬液情報: 異なる濃度(5%~10%)と異なるバッファの静脈内免疫グロブリン(IVIG) コンシーブ®UFCシリーズ30kD膜使用、RC材質、TFF カセット面積0.01m²(3-level construction 2:2:2、総面積0.06m²)

結論:異なるバッファのサンプルの平均フラックスは10LMHで、収率は99%を超える。


ケース3:5%筋肉内免疫グロブリン(IMIG)


TFF カセット:コンシーブ® UETシリーズ 30kD、PES材質、面積0.02m²(3-level construction 1:1:1、総面積0.06m²);コンシーブ® UFCシリーズ 30kD、RC材質、面積0.02m²(3-level construction 1:1:1、総面積0.06m²)


プロセスパラメーター:IMIGは約50g/Lから220g/L以上に濃縮、PESカセットの平均フラックスは8.97LMHで、収率は98.59%;IMIGは約50g/Lから220g/L以上に濃縮。RCカセットの平均フラックスは10.1LMHで、収率は102.87%。

ケース4:2%免疫グロブリン静注(IVIG)


薬石情報: IVIG、初期濃度20-25g/L。TFF カセット: Consieve® UFCシリーズ30kDメ、RC材質、面積0.01m²。


プロセスパラメーター:5-10倍に濃縮、平均フラックス12LMH。

高濃度製剤でのSPTFFの使用例にもご期待ください。
ご興味のある方は、400-070-4266までお電話でご相談ください。今後ともよろしくお願いいたします。

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